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逆ギレおばあさんと戦った話【前編】

※この物語は事実をもとにした内容です。


私は大学2年生の頃から約1年半の間に
アルバイトでジムのトレーナーをしていた。(※ポケモンではありません。)



接客業をしている人には実に共感していただきたいのが、
モンスターな客との遭遇である。
くさむらを歩いてると飛び出してくるやつです。(※ポケモンではありません。)


客は神様なんていうけれど、私はモンスターな客と戦ったことがある。
その議事録をここに残そうと思う。



トレーナーの仕事は、筋トレマシンの使い方を教えたり、
運動のアドバイス、ベテランになるとレッスンを持ったりするが、
なかにはプール監視も含まれており、1日平均1~2時間プール監視をすることになっている。



大きなプールエリアにプール監視員は1人。
つまり、ルール違反やマナー、そして溺れる人がいないかなど全て1人でチェックしなければならない。
秩序を乱す者は注意し、溺れる者は助ける。いわばプールの長である。←大げさw



たくさんの人が利用するプールだ。
面倒だが、1人1人が快適に使えるように細かいルールが設けてある。


プールには[初級コース]、[中級コース]、[上級コース]の3種類があり、

・25mを泳ぎきれない人は初級コースで泳ぐ。
・50m以上泳ぎきれる人は上級コースで泳ぐ。


といった具合に泳力別にコース分けがされている。



私はいつも通り、集中して水面を注視していた。
そこに上級コースで泳ぐ1人のおばあさんが目についた。
彼女は確かに休憩せずに50m泳ぎきれてはいた。
しかし、あまりにもスピードが遅い。50mを1分45秒といったところだろうか。



上級コースは50m以上泳ぎきれるのは大前提で、50mを目安として1分30秒以内に
泳ぎきれる人用のコースである。おばあさんは明らかにルール違反をしていた。



上級コースにはおばあさんの他には誰もいない。ピチャピチャと響く水の音
ゆっくりと、しかし確実に水をかいているシワシワの手。
脂肪でプカプカ揺れている二の腕。
おばあさんだって一生懸命泳いでいる。
胸が痛んだ。


「私だって泳がせてあげたい。」


しかしルール違反している以上注意しなければならない。
(彼女がこのままのペースで泳いでいると、思いっきり速く泳ぎたいという人が同じコースで泳げないから。)
これが雇われている身である私の苦渋の決断であった。


おばあさんがプールサイドに近づくのを見計らって私はしゃがんで声をかけた。



「お客様、よろしいでしょうか?」



「……」


私に声をかけられて少し驚いた風ではあったが、目線を私にあわせようとしていない。
自分でも何を注意されるのか分かっている様子だった。

「お客様、こちらのコースは…」



「え!?何言ってんの!?聞こえないんだけど!」



一瞬びっくりして言葉が止まってしまった。
誰でも聞こえるくらいの声の大きさで話しているのに、聞こえないと言ってくるのだ。
嫌な予感がした....こいつは、ヤバい奴だ。
さっきまでかわいかったフニフニのおばあさんの二の腕は、私にとってただのセルライトと化した。


私は少し強めの口調で続けた。
「上級コースは往復1分30分以内に泳がれる方向けのコースとなっております。なので、ゆったり泳がれるようでしたら、こちらのコース(中級コース)で泳いでいただけますでしょうか?」



おばあさんはゴーグルを上にずらし、露わになった老化でたるんだ鋭い目をこちらに向けて言った。

「誰もいないんだからいいじゃない!?」



「誰かいても、いなくてもそれに関わらずこれがルールとなっておりま…」


「ここは選手育成場なんですか!?!?」


「...((((;゚Д゚)))))))」


あぁ…こういうタイプの人には何を言ってもダメだ。
接客業をこうして長く続けているとだいたい分かってくることである。
彼女は声を荒げているため、初級、中級コースの他のお客さんがジロジロとこちらを見ている。
まるで、授業中に先生に1人怒られて注目をあびてしまう生徒の気分だ。


「私も泳がせてあげたい気持ちは山々なんですが、上に厳しく言われておりますので…」
おばあさんのあまりに強い口調に少しひるんでしまった私。


「じゃあ上の人に言ってちょうだい!こんなルールおかしいって。」



「かしこまりました。」
これを社員に報告したってルールが変わることなんてない。
長年このルールで運用していたんだ。
1人のお客さんのわがままが適用されるはずなんてない。
そんなの分かりきっていた。



「おかしいわよ!?そんなルール。誰にも迷惑かけてないんだからいいじゃない!!」
「私はここを運営している偉い人と繋がってるから、あんたなんかすぐクビにできるのよ」



そう言い放つと彼女は何事もなかったかのようにまた、上級コースをのんびり泳ぎ始めた。
私は何のために注意したんだろうか。お互いが嫌な思いをして終わってしまった。

やるせない。


なぜルール違反を指摘しただけで、こんなに罵声を喰らわなければいけないのか。



実は前の職場で諸事情でクビになった私としては、クビをすごく恐れていた。
上級コースをたらたら泳いでいる彼女を再度注意して、自分の身を危険に晒すのであれば、
今回は我慢するしかないという結論に至った。


何もできない自分。無力な自分。なんて役にたたないんだ。

悔しかった。


プール監視を任されている以上、プールの秩序は私だ。
私が全ての責任を負う、そんな覚悟でプール監視をしているのだ。

違反者に手錠もかけられないビビリ監視員。

そんな自分にも腹が立った。



プール監視を終えて、休憩に入った私は今回の出来事を
わりとよく話すような年の近い女社員に話した。

くやしさ、腹立たしさ、色々な感情がもみくちゃにあふれてきて
うまく伝えられたか分からない。
しかし、社員は私の報告を聞き終えると、真っ直ぐな眼差しでこう言った。

「こういう問題は、社員が対応するから次からは社員を呼んで。これは当たり前のことだよ。その場で1人で抱え込もうとしないで。」




「...分かりました。」



あぁ…そうか。社員はクレーム対応のプロだ。
研修の段階でこのようなクレーム対応の訓練もしているエキスパート。
私1人でおばさんをどうにかしようとせずに、すぐ社員を呼んでいれば
こんなことにはなっていなかったんだきっと。
所詮、私はアルバイトなのである。


最初からそうしていれば私の心は傷ついてはいなかったかもしれない。



次、また奴が上級コースを泳いでいたら、すぐ社員に言って
なんとかしてもらえばいいんだ。

よし...


私はそう心に決めたのであった。






はたして第2ラウンドの行方は!?
社員という強力なバックを手に入れたりっちーは
おばあさんをぎゃふんと言わせることができるのか!?


後編に続く。


後編リンク↓↓
逆ギレおばあさんと戦った話【後編】



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プロフィール

B.りっちー

Author:B.りっちー
多趣味女子大学生。
最後の学生生活でできることってなんだろう。
ぶっとんだことしてみたい。
バカなことしてみたい(´゚д゚`)


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